むかしむかし、ナジャチルと言う女の子がいました。
とても可愛らしい子でしたけれども、貧乏だったので
いつも裸足で歩いていました
ある時そんなナジャチルを可哀相に思った
武器職人のおねぇさんが、赤いくつを作って
「完成しましたよぉ、はぁよかったあ」
ナジャチルにプレゼントしてあげました。
ナジャチルは大変喜びましたが、丁度その頃
病気のお母さんが看病も虚しく死んでしまったのです。
お母さんのお葬式の日、ナジャチルは赤い靴を履いていきました
おとむらいに赤い靴はふさわしくありませんが
ナジャチルは他に靴をもっていなかったのです。
そこにたまたま通りかかったメガネをかけたお金持ちの奥様が
ナジャチルを可哀相に思い、養女として面倒を見ることにしました
こうしてナジャチルは裕福なメガネの奥様の元で暮らすことになったのです
それからナジャチルは、勉強をしたり、おさいほうを習ったり
いままでの貧乏な暮らしがまるで嘘のように素敵な毎日をすごしました
裕福な暮らしが何年かすぎ、ナジャチルは町一番の美しい娘に成長していました
「ナジャチルやお前もそろそろ大人の仲間入りをする年頃じゃ
明日は緊急クエストがあるので、強い靴を買ってそれに参加してくるのじゃ」
メガネの奥様はナジャチルにそう言ってメセタを渡し、靴を買ってくるようにいいました
ナジャチルは靴屋で、とても可愛くて素敵な赤い靴を見つけました
でもその靴は可愛いけれど強い靴ではないのです。
ナジャチルは悩みましたが、どうしてもこの赤い靴が欲しかったのです
(メガネの奥様は目が悪いのできっとこの靴を買ってもバレないわ)
ナジャチルはそう思い、いいつけを破って
強い靴ではなく赤い靴を買って帰りました。
そしてナジャチルはその靴を履いて緊急に行きました
(ふふふ、みんな私のかわいい靴を見ているわ)
ナジャチルは上機嫌で緊急を終えました。
でもみんながその靴をみていたのは緊急クエストに
その靴はふさわしくないからなのです。
ナジャチルは噂になり、赤い靴を履いていたことがメガネの奥様にもバレてしまいました
「ナジャチルや、緊急へは強い靴でいくのが礼儀なのですよ
最低でも☆10の靴ではなりません、その靴は☆7でしょう
そんな靴を履いていってはいけません!」
メガネの奥様はそうナジャチルを叱りつけました
「…はい、わかりました」
ナジャチルはそう返事しましたが
(きっとみんな私に嫉妬してそんな事をいってるのだわ)
心の中ではそう思っていたので
赤い靴を履いて緊急に行くのをやめませんでした。
そんな日々が続き、心労がたまったメガネの奥様は
重い病気にかかり寝込んでしまいました。
ナジャチルが看病しないといけないのですが…
「あぁ今日は予告緊急の日だわぁ、マガツさんだけは
どうしてもいかないと…」
こうしてナジャチルは看病をしないでマガツ緊急に出かけてしまいました。
すると不思議な事にナジャチルの赤い靴が勝手に動き出して
ダンスを踊りはじめたのです。
「えっ?止まらない!止まらないわぁー!」
ナジャチルは死ぬまで踊り続ける呪いをかけられたのです。
ナジャチルは昼も夜も休みなく踊り続けました
「誰かたすけてー」
ナジャチルは泣き叫びましたが、どうにもなりませんでした
そして赤い靴は踊りながら、とある墓地へいきました
そこにはナジャチルが看病しないせいで亡くなった
メガネの奥様のお墓がありました。
「あぁ、メガネの奥様、ごめんなさい」
この時ナジャチルははじめて自分がした事のあやまちに気づきました
ナジャチルは深く反省しましたが
それでも赤い靴は踊りをやめませんでした
そして赤い靴は、町で一番恐れられている
首切り処刑人の家に向かいました
ナジャチルも首切り処刑人の事は知っていたので
「そうだわ、いっその事、首切り処刑人に足を斬ってもらおう
首切り処刑人ならきっとスパっと斬ってくれるはず…」
こうしてナジャチルは首切り処刑人にお願いして
両足を切断してもらったのです。
バッサリ!
切断された足と赤い靴は、それでも踊ることをやめず
ぐるぐるとナジャチルの周りをゆっくり回ると
「ひゃひゃひゃ、悪い子にしてるとまた来るけぇのぅー」
そう叫んで深い森へと消えて行きました。
恐ろしい目にあい、両足を無くしたナジャチルは
心を入れ替えて、アークス教会で死ぬまで
献身的に働きつづけました
そしてナジャチルの魂は
おひさまの光にのって神様の所へ飛んでいきました。
おわり。
原作:アンデルセン童話 『赤い靴』